- 米国ETFに興味はあるが、どれがいいかわからない方
- 投資の醍醐味は配当や分配金だという方
この記事では、米国ETFを今まさに選んでいる皆さんに向けて、米国ETFでは珍しく経費率が低く利回りが高いETF、SPYDについて書いていきます。
私は2021年5月26日からスポットで買い足しく予定ですが、安定的な分配金マシーンとして期待が持てそうです。
私が予定している活用法についても書きますので、参考にしてください。
- SPYDの概要がわかります
- SPYDの活用例がわかります
SPYDの概要
SPYDは、ステートストリート社の運用する米国に上場されているETFで、国内からだと主要なネット証券会社(SBI、楽天、マネックス等)から買付可能です。
正式名称はSPDRポートフォリオS&P500高配当株式ETFといいます。
似たような名前のETFに、SPYがありますが、これはS&P500に連動するタイプのETFで、米国ETFの中でも歴史の長いものになります(後日機会があれば記事を書こうと思います)。
設定は2015年10月からなので、ETFとしてはまだまだ若い部類と言えます。
まずは最低限必要な情報から紹介します。
同じく高配当ETFと言われる、VYMと比較しています。
※数字は全て2021年6月1日現在のものです。
SPYD | VYM | |
運用会社 | ステートストリート社 | バンガード社 |
ベンチマーク | S&P500高配当指数 | FTSEハイディビデンド・イールド指数 |
経費率 | 0.07% | 0.06% |
純資産総額 | 45億ドル | 378億ドル |
市場価格 | 41.62ドル | 106.81ドル |
分配金利回り | 4.51% | 2.46% |
引用元:ステートストリート社HP、Bloombergを元に作成
ベンチマークと利回りに違いがある事がわかります。
これだけで商品の良し悪しは評価できないので詳しくは後ほど書きますが、利回りが高いことは分配金目当ての投資家にとっては魅力的です。
経費率は、日本国内上場のETFが0.2%前後であることと比較すると、どちらも非常に低い水準ですね。
これらについて、さらに掘り下げていきます。
SPYDのベンチマーク
SPYDに限らず、ETFは多数の株式をファンド側で買い付け、それを混ぜ混ぜしてから小分けにして投資家に提供されるタイプの商品で、投資信託と違い、株と同じように取引する事ができます。
そのため、ETF選びで重要になるポイントのひとつは、どんな指数にベンチマークとしているのか?という事になります。
SPYDのベンチマークはS&P500高配当指数といい、SPYDはこの指数に連動するように運用されています。
この指数はS&P500に選定された銘柄から、配当利回りが高い上位80社前後を選んで、均等に割ってパッケージ化したものです。
年に2回、構成銘柄の調整が入り(リバランスといいます)、指数の品質(今回の場合は利回り)が保たれるようになってます。
SPYDは、この指数に連動する唯一のETFとなります。
ポイント
SPYDのベンチマークはS&P500内の銘柄から選ばれる高配当銘柄から構成される。
SPYDのベンチマークの詳細を、同じく高配当ETFであるVYMのベンチマークと比較して書いておきますので、参考にしてください。
S&P500高配当指数 (SPYD) | FTSE ハイディビデンド イールド指数 (VYM) | |
構成銘柄数 | 80前後 | 415〜416 |
特徴 | 米国内の配当利回り 上位80株を均等に 配分して算出 | 米国内の高利回り 銘柄の時価総額 加重平均より算出 |
構成銘柄数も違いますが、算出の方法も全然違いますよね。
詳しくは参考リンクを参照いただきたいですが、どちらも金融株が占める割合が25%弱でトップですが、SPYDは2位に不動産(20%弱)、VYMは生活消費財が2位(13%弱)、ヘルスケアがほぼ同率(12%程度)含まれると言う差があります。
金融株の方が、景気動向に敏感に反応すると言われているので、これをどう見るかが投資判断の際判断材料になりそうです。
指数の算出法は説明し出すと色々複雑ですが、ざっくり言うと、単純平均を取っているSPYDは株価の大きな銘柄の影響が出やすく、加重平均を取っているVYMは時価総額の大きな銘柄の影響が出やすい、と言う事です。
比較的、メジャーな指数は加重平均を採用する事が多いので、ここも珍しいポイントですね。
ここをどう見るか、も投資判断の材料の一つになりそうです。
ポイント
SPYDとVYMで構成銘柄の割合と、指数の算出法が違う。
優劣云々ではなく、何を重視するかが重要。
SPYDの株価推移
参照:Trading View提供のチャート
コロナ禍で一度、ドカンと影響を受けたのちに持ち直しています。
その後の回復っぷりを見ると、指数が単純平均である事と、定期的な銘柄入れ替えなども効いていると推察します。
ポイント
指数の銘柄入れ替えなどが株価を支えていると思われる。
SPYDの分配金利回り
概ね4〜5%で推移しています。
過去には、もっと高い利回りを出した事もありますが、概ねこの程度で見ておけば間違いは無いと思います。
株価低迷の時期に投資ができた方は、おそらく大きな利益を得られているのではないかと推察します。
ポイント
利回りは概ね4〜5%、分配金も株価に連動。
SPYDに投資するメリット
安い買付価格で保有可能
株価が40ドルちょっとと、S&P500連動型のETFと比べて10分の1程度の額で保有することができます。
有名な投資系ブロガーの中には数千万円の資産を運用している方もいらっしゃいますが、「そんなのいきなり無理!」と言う方にとって、安い単価はメリットと言えます。
高利回りの分配金を得られる
分配金利回りは4〜5%と、個別株に迫るものがあるため、配当金投資家にとっては非常にわかりやすい商品になります。
配当金や分配金は投資家のモチベーションを維持する上で大きな意味があると思います。
その辺については、こちらもどうぞ!
SPYDに投資する注意点
パフォーマンスはVYMに劣るかも
こちらは、年初来のSPYDとVYMの比較です。
青がSPYD、オレンジがVYMのグラフです。
参照:Trading View提供のチャート
一見、SPYDが非常に優れた商品に見えますが、これをもっと長期のスパンで見るとどうなるでしょう。
参照:Trading View提供のチャート
長期的には、少なくとも過去5年間はVYMの方がパフォーマンスは上でした。
この辺は、VYMに、生活消費財セクターやの株が多めに含まれていて、コロナ禍で株価アップ、というものも影響がありそうですね。
これは分配金再投資を含まないものなので、再投資をすれば多少この差は縮まるかもしれませんが、税金が持っていかれる事も考えると、20%近いパフォーマンス差を埋めるのはおそらく不可能です。
値上がり益を期待してはいけない
高配当株とは裏を返せば、これ以上劇的な成長が見込めないため利益をひたすら投資家に返している人たちとも言えます。
本来投資の主力製品にすべきは、長期的に企業価値と配当の成長が共に見込める、S&P500や全世界株式連動のインデックスが良いとされています。
高配当株の塊であるSPYDには、値上がり益を期待してはいけないと思います。
資産形成の主力たりえるインデックス投資信託については、こちらもどうぞ!
SPYDの活用法
それでは、最後にSPYDをの活用方法を提案させていただきます。
定期的に少額買付して分配金マシーンにする
株価に大きな成長が見込めない分、分配金は順当に吐き出してくれるはずなので、月額投資額に余裕や余剰が出たときに、少額買い付けることを検討してもいいかもしれません。
※私はこのスタイルです
スポット買い要員
設定からの5年で、大きく株価が落ちる場面がありました。
そう言うときにまとまった額を買い付けられれば、将来配当金生活の大きな足しになるはずです。
※余剰資金とタイミングが合えば、やってみたいと思ってます
一般NISAの穴埋め要員
日本円にして4000円から5000円程度の単価なので、一般NISA枠の穴埋めにはもってこいではないでしょうか。
私はつみたてNISAに移行してしまいましたが、一般NISA利用中の方は検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
この記事では、SPYDについて一通り解説してきました。
今回のポイントはこちらです!
- SPYDは米国上場の高利回りETF
- SPYDは立ち位置もベンチマークも他にはない珍しいもの
- SPYDに値上がり益を求めてはいけない
- SPYDはNISA穴埋めや、スポット買いで配当金を楽しむもの
この記事が何かのお役に立てば幸いです。
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