最近はeMAXIS SlimシリーズやSBIバンガードシリーズなど、いろんな投資信託が出ていますよね!
特にインデックス系のものは、一昔前と比べると優良商品のバーゲンプライスと言ってもいいんじゃないかな、と思ってます。
少し前から投資業界やブロガー界隈にて賑やかなのが、S&P500をはじめとした米国株のインデックスに連動した商品群かなと思います。
資産運用系のブログの大御所の皆様も結構選ばれている印象です。
今回は、なぜ米国株のインデックスが強くて、そしてそれを選ぶメリットデメリットを取り上げ、なるべく小難しい事は抜きで書いてみようと思います。
米国株が選ばれる理由とは
まず、米国そのものが強い
最近は中国の台頭を強く意識する向きもありますが、少なくとも現時点では、米国は色々な意味で最強の国家である事は、誰も疑わないでしょう。
軍事力も世界中に展開できるだけの力があるし、外交面においても強大な発言力が期待できるし、富の偏在なんていう言葉も聞き飽きるくらい聞いたのではないかと思います。
少なくとも現時点では、世界中の視線も資産も集まるのが米国、自然といろんな経営資源が集まりやすくなるのは、想像がつくと思います。
投資家還元意識も最強だと思います
ここ最近、米国経済団体が株主第一主義からの脱却を宣言し、従業員はじめとしたステークホルダーたち重視の方針に舵を切った事を受けた、こんな見方も出てきています。あながち間違いではないと思いますし、極端な格差を嘆く声が一定数ある以上、自然な流れかと思います。
ただ、長年続いてきた株主優先の文化が、この一年で完全に消えるか?と言われると、そうかな?とも思いますし、例えばコカコーラとかP&G、タバコ系の会社みたいなブランドが成熟しきった企業なんかは、投資家への還元は今でもそれなり、ていうよりも相当手厚い部類に入るだと思います。
VTIみたいなETFの分配金もまあまあ多いですしね。
完全に個人の意見ですが、今後は、米国最強wみたいな論調がどれだけ続くのか、個人的には懐疑的です。
が、米国企業の、投資家への還元意識はまだまだ抜け切らないと思いますし、企業から見たら、稼いだキャッシュをそのままにしちゃったら、いずれ税金で召し上げられるだけですし、必要以上に手元にあっても、その現金は何ら働いてくれはしないですよね。だったら投資家にばら撒いておいて、自分の所の株を持ち続けてもらった方がお互いにとってもいい事のかな、という発想に至るのは自然な事かと思います。
実際問題、経営する立場からすれば、下手に会社に働いてもくれないキャッシュを手元に置きたくはないでしょうしね…
現時点においては、配当金生活とかそう言ったものが1番イメージしやすいのも、米国株かなと思います。
その他にも、いくつも理由はありますが、パッと思いついただけでもこれだけあります。
- ブランドが世界的に確立された企業が多く、世界中からキャッシュフローがある
- GAFAMのような、世界の情報インフラを握っている企業が属している
- 先進的なサービスや技術が誕生しやすい環境が揃っている
- 投資家への利益還元や増配意識が根付いていて、それがあるから更に株を買う人が増えて、と言った好循環がある
そこに来て、コロナの金余りでさらにお金が集まりやすいという現状もあるため、若干実像よりも過大評価されているきらいはあると思いますが、それでも選ぶだけの理由はあると思います。
ただ、個別株を買うのはやっぱり難しいな、となると、やはりS&P500みたいに、適度に分散されていて、かつ採用の基準も厳しいインデックスを丸ごと買う、というのが、おそらく大多数の方にとっての最適解になるのかな、と思います。インデックスについては過去記事もどうぞ!
配当金課税や為替取引のデメリットを解消!投資信託を活用すべし
配当金課税はパフォーマンス低下要因
上の過去記事でも書きましたが、米国株に限らず、高配当系の株からの配当金は受け取るだけでもワクワクするところですが、残念ながら配当金には課税されてしまいます…
米国で10%、日本で20%ちょい、二重課税もありますね…一部国内の米国株系ETFでは解消されつつありますが、それでもやはり課税される事は変わりません。
一般NISAとかで国内課税は何とかなりますが、米国内の課税はどうにもなりません。ADRみたいな銘柄は全体から見れば限られるので、そこまで選定するとなると、正直、人を選ぶと思います。
もちろん、配当金という名の現ナマが振り込まれた瞬間は結構嬉しいとは思いますので、株の保有そのものを全部を全部否定はしません。私も、それがために株は保有を続けてる節がありますし。
繰り返しますが、配当金課税は間違いなくパフォーマンス低下要因である事は、覚えておくべきかと思います。
投資信託なら、配当金課税を繰り延べられます
関連記事でも書きましたが、投資信託はその仕組み上、配当金が我々の手元に渡る前に再投資に回ります。
ですので、本来であればお国に召し上げられるはずだったお金が、丸々資産として残り、かつ再投資は自動で済んじゃうことになりますよね。
もちろん、投資信託は、目標金額まで積み上げたものを、いずれは取り崩す事が前提の商品なので、いつかはその税金は納めることになります。
ただ、税が繰り延べられる事により、目標金額までの期間ははるかに短くて済む、という事はぜひ頭に入れておいて欲しいところです。
外国株式全般において、為替取引関連には注意が必要
米国株に限った話ではないですが、海外の株式や通貨を売買した時は為替取引が発生することについては、注意が必要と思います。
これは、米国株であれば、決済には米ドルが必要になるのは当然なのですが、我々が持っている通貨が円であることに起因します。
まずわかりやすいのは、円を米ドルに変換する際、ある程度の手数料がかかってきます。
証券会社や銀行各社手数料が違うので何とも言えないですが、少なくともただではないです。
住信SBIネット銀行の外貨取引であれば、非常に安い手数料で抑えられるので、ここはまだ対策の打ちようがあります。
円貨決済という手もありますが、換金レートが不利なので、ちょっと微妙ですよね。
次に、株を購入する際の手数料として、各社大体株価の0.45%程度の手数料を科すことが多いです。
(手数料には上限金額が設けられてはいますが)
特に少額で取引をする人にとっては正直無視はできないかな、と思います。
SBI証券、楽天証券であれば、一部の米国ETFの買付手数料がゼロになりますので、積極的に活用したいですね。
ただし、あくまで買付だけの話で、売却時にはしっかり手数料を取られますので、バイアンドホールドが基本戦略になると思います。
これも取引金額を上げるなどで対策の打ちようはあります。
ありますが、最後の難関、為替差益については、非常に面倒です。
具体的には、以下のようなことが起こります。
- ある日私は100円を1ドルに変え、その1ドルでA社の株を買いました。
- ところが、よくよく見ると、私は寝落ちをしていたため、実際の取引日は日付をまたいでいました。
- A社の株を買ったときは、1ドル110円でした。つまり、私は同じ1ドルでA社の株を買ったのに、お国の目線では、私の手持ち資金は100円から110円に膨らんだことになります。
- 国は、110円と100円の差額10円を、「為替差益」と認識します。これは株取引に関連する利益ではなく、為替の変動による利益なので、確定申告をする必要が出てきます。
おそらく大半の人にとって、為替差益による利益は微々たるものであり、よほど莫大な配当金をもらっていない限り、高い確率で国からのお目こぼしがあるとは思います。
というより、現実的に考えて、何万人単位で米国株取引をしている人たちの、数千円数万円を聴取するために人件費をかけてまで回収に回るのか、という話です。
たぶん税務署のマンパワーから考えて不可能です。
…たぶん無いですが、世の中に絶対はないですし、何より、そういうものが実は発生しているのに何もしない、という事に、少なくとも私は抵抗があります…
これを回避するためには、換金⇒買付⇒余ったお金を外貨建てMMFへという一連の流れを、1日で抜け漏れなく終わらせる必要があります。
配当金入金の場合は、配当金入金⇒(買付できる金額であれば、何かしらの株を買付)⇒余った配当金を外貨建てMMFへ、という流れですね。
さんざん現物の株式を持つ面倒さを書きましたが、海外への資産の分散という意味では、現物購入は面倒くささを認識した上であれば、一定の意味があると思っています。
円が今後もずっと安全通貨である保証なんかどこにもないので。
そういう意味では、まずは投資信託から始めてみて海外への分散に慣れておき、興味が出れば現物株にチャレンジ、このままでよければ投資信託でひたすら積み立て、みたいな流れがいいのかなと思っています。
米国株インデックス投資信託を活用しましょう!
どのインデックスがいい?
話を米国株のインデックス投資信託に戻します。
上でも少し触れましたが、私はS&P500か、CRSP USトータルマーケットインデックス(以下CRSP)のどっちかに連動する商品が1番いいかな、と思ってます。
何のこっちゃ、という方のために、以下ざっくりしたイメージです。
- S&P500:米国株からの精鋭部隊500社
- CRSP:米国株ほぼ全部
正直、どっちがいいか、というのは、好みの問題レベルかな、と思います。
投資信託であれば、S&P500が主流ですね。
少し前に、ここの指標にテスラが組み込まれることが話題にもなりました。(参考記事)
オススメ米国株インデックス投資信託
では、最後に現在購入できる米国株インデックス投資信託の中で、特にオススメできるものを紹介します。
データは、2021年4月3日現在のものです。
表はスクロールしてご覧ください。
純資産総額 | 信託報酬 | 買付手数料 | つみたてNISA設定 | |
eMAXIS Slim米国株式(S&P500) | 3465億円 | 0.0968%以内 | なし | あり |
SBIバンガードS&P500インデックスファンド | 1649億円 | 0.0938%程度 | なし | あり |
楽天・全米株式インデックス・ファンド | 2375億円 | 0.162%程度 | なし | あり |
楽天全米株式だけはCRSPに、それ以外はS&P500に連動しています。
これ以外にもいろいろありますが、純資産総額が少なすぎたり、信託報酬が高かったりといいとこナシだと思いますので、この3つから選ぶ事が、現時点での最適解と思います。
買付は、ネット証券であればどこでもOKです。
まちがっても、銀行とか証券会社窓口とかには行かないでくださいね、手数料を吸い取られるだけなので(店頭にいる人間の人件費をどこでどう賄っているのか、を考えてみるとわかると思います)。
私自身は、つみたてNISAにはSBIバンガードを、特定口座ではeMAXIS Slimを積み立てています。
楽天は、手数料の高さが個人的に気に入らなかったので、外しちゃいましたが、決して商品としては悪いものではないですので、全米を丸っと買いたい方は、こちら一択になると思います。
米国株インデックス投資信託運用の留意点
最後に、若干重箱の隅感もありますが、米国株インデックス投資信託を買うにあたっての、気になるポイントも列挙しておきます。積立ほったらかしができるのが投資信託のメリットではありますが、リスクとリターンをよくよく判断した上で購入することをオススメします。
米国一国への集中投資です
上の方でも書きましたが、米国一国への集中投資、というのが、デメリットになりうると思っています。果たして本当に集中投資でいいのかどうか、今一度皆さんそれぞれが考えてほしいと思っています。
個人的には、米国が今後も強い国であり続けるであろうとは思っていますが、全世界を牛耳るような派遣国家であり続けられるかどうかは、一考の余地があると思っています。
新興国の台頭に本当に対応できるのか
中国をはじめとした新興国の台頭とか、トランプさんがやらかした負の遺産やら、今後もS&P500が過去と同じように成長する保証はどこにあるのか、とか。
自分の虎の子の資金を預ける先だけに、新興国側への分散が本当に要らないのかどうかはよく考えるべきだと思います。
新興国がどこまで成長するのか、その中において自分が米国にどこまでポジションを集中したいかが、投資方針を決める際の鍵になると思います。
そういう意味では、国際情勢関係のニュースは毎日でも確認しておいた方が、いざというときの判断に自信が持てるかもしれませんね。
疲れたときについYoutubeやNetflixに行っちゃう自分への自戒も込めて書いてみました…
まとめ
少なくとも現時点において、米国株インデックス投資信託は、指標そのものの強さ、買付ができる手軽さにおいては最適解の一つであることは間違いないでしょう。
今後もそうであり続けるかどうか、私自身も注目しながら見ていきたいと思います。
次の機会には、全世界分散の投信についても書いてみたいと思います。
この記事が何かのお役に立てば幸いです。
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