- FIREには憧れるが一歩が踏み出せない方
- FIREに漠然と不安と危うさを感じる方
経済的自立をして、人生を思うがままに。
このような考えに共感する方が増える中、FIREは世界的なムーブメントとなっています。
その一方で、FIREする事のリスクについても取り沙汰がされるようになってきましたが、情報が錯綜してて、何を信じればいいかわからないですよね?
この記事では、FIREを目指す上で考えるべきリスクについて解説していきます。
リスクを把握した上での行動は今後の結果が大きく変わるものと思われますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね!
- FIREを目指す上で把握すべきリスクが分かります。
- 各リスクに対する対処法がわかります。
FIREって、そもそも何?
FIREとはFinancial Independent Retire Earlyの略で、簡単に言うと「経済的に自立して、さっさと引退しましょう」という意味です。
欧米から始まったムーブメントで、最近日本でもしきりに取り上げられるようになりました。
FIREについて詳しくはコチラ!
ただ、当然ながら100点満点のライフスタイルはこの世に存在しません。
FIREにももちろんリスクはあるし、そこを意識しないと思わぬところで足を掬われる可能性がある、ということは漠然と感じている方は多いのではないかと感じています。
FIREを目指す上でのリスク
では、FIREを目指す上でのリスクには何があるのでしょうか?
順に見ていきましょう。
そもそも何故リスクが発生するのか
まず、前提として理解しないといけないのが、日本の社会保障が以下の点を前提に設計されているということです。
- 国民皆保険、基本みんなで支え合い
- 公的扶助や社会福祉は全体の1割程度
- 年金は二階建て、サラリーマンに優しい
特に一番下が重要かと思います。
また、ここの読者であれば、ほぼ皆さんが源泉徴収のお世話になっていると思いますが、そのような余計なことを考えなくていい制度がサラリーマンには目白押しです。
国は少なくとも「お勤めをしているサラリーマン」を前提に社会保障を組み立て、かつ優遇しているのは読み取れると思います。
FIREとは、この「国が前提にしているモデル」から外れる行為であるということは、理解しておいていいと思います。
何故国がこの前提を敷いているのかを考えると、根底にあるのは、推測が入りますが、サラリーマンからは源泉徴収ができるから、ほぼノーリスクで税収が約束されるから、ということではないかと考えます。
当然、ここから外れるということは、守りに守られていたサラリーマンではなくなるということになります。
また、今まで国が勝手にやってくれていたことの大部分を自分で面倒を見る必要があるので、当然ながら一定のリスクは発生する、となります。
自営業の方なども、国民年金基金をはじめとして、会社員と同じような社会保障を受けられる制度や、国保ならではの制度(付加年金とか)もありますが、そこには一定の知識が必要になることは理解しておいていいでしょう。
FIREモデルケース紹介
例えば、以下のケースはいかがでしょうか。
生活費と家賃の数字は適当に充てましたが、大外れでもないのではないでしょうか。
金融資産が7000万円あれば、4%のリターンを全額生活費に充てれば、数字上は生活が維持できることになります。
副業もやって時々働けば、とてもストレスフリーな生活もできそうです。
以下、この中に潜むリスクを見ていきましょう。
各リスクと対処法について
上のモデルケースを参考に、発生しうる代表的なリスクと、対処法を紹介します。
対処法は青線で書いています。
これ以外にも、各自のライフスタイルや考え方によって、別途発生するリスクも、逆に自分にとってはリスクになり得ないケースもあると思いますが、代表的なものの紹介にとどめている点、ご承知おきください。
年金が減るリスク
これが一番大きいリスクではないかと思います。
がまぐち君はFIREしようと考えている時点で、ほぼ間違いなくサラリーマンと考えられるため、その前提で書きます。
サラリーマンであれば厚生年金への加入がほぼマストになってますが、厚生年金への加入期間によって、将来もらえる年金額は変わってきます。
計算式は以下の通りです。
厚生年金額(年額)
(月給+賞与÷12)×5.769÷1000×加入月数
がまぐち君は年収400万円なので、がまぐち君が22歳から働き始めたと仮定すると、ざっくり年金額は現時点でこんな感じです。
- 現時点:400万÷12×5.769÷1000×3年×12
→7万円/年額 - FIRE時:400万÷12×5.769÷1000×13年×12
→30万円/年額 - 60歳時:400万÷12×5.769÷1000×38年×12
→88万円/年額
国民年金78万円は、FIRE後も切れ目なく加入しておけば支給はされる事になるのですが、厚生年金の額の差は如何ともし難いですね。
こ、これはちょっと…
FIRE前に、自身の年金の減額幅、支給開始までの期間はよく確認しておくようにしましょう。
国民年金基金や付加年金(どっちか)など、対策はありますが、それは個人間の知識の有無に左右される点は否めないですね。
余談ですが、よく「年金は将来枯渇する」ので、払う意味がない、という話を聞きます。
年金保険料は、全部ではないですが、その一部がそのまま年金受給者に行く仕組みになってます。
現役で働く人がいる限り、額が減ることはあれ、なくなることはないというのは知っておいてもいいでしょう。
社会保障費用が上がるリスク
次にリスクとなりうるのがこれかと思います。
こちらのページがとてもよくまとまっていますが、第二の雇用先から給与収入が発生するような副業でない限り、社会保障費は概ね本業の収入に対してかかってきます。
仮に副業が本業の倍の稼ぎだったとしましょう。
そうだとしても、社会保障費は本業に対してかかります。
ここで、FIRE後は副業を本業に、ということになると、単純計算、社会保障費は本業よりも上がります。
今までは、本業が、いわば副業の隠れ蓑だったのに、それがなくなるわけですね。
そ、それもちょっと…
FIRE前に、自身の社会保障費がどうなるのか、手取りがどこまで残せるのかは確認するようにしておきましょう。
退職金が減るリスク
早期に自己都合で退職すると、退職金も目減りする事は知っておいた方がいいですね。
この辺は各企業や業界の傾向によっても違うと思います。
FIRE前によく規約を確認しておくのが、一番のリスクヘッジになります。
傾向として、早期退職すればするほど、退職金も雀の涙となる可能性が高いので、退職金はそもそもアテにしない、というのもアリです。
世間から孤立するリスク
FIREを達成するということは、すなわちサラリーマンからの卒業を意味します。
それ自体はとても尊いことだと思いますし、私自身も準備には余念がないですが、以下の点は意識しておく必要があります。
- 仕事以外の人間関係が希薄だと孤立するかも
- あり余る自由時間をどう過ごすのか?
- 結婚はできるのか?子供は持てるのか?
特に社会人生活が充実している方は、いつのまにかプライベートの人間関係が希薄になってたりする可能性もあるでしょう。
また、FIRE後の余暇の時間をどう過ごすかは、いろいろな所で論じられていますね。
例えば以下のページの「缶ビールを開けるまでどう過ごすか」という状態は、意識しておいてもいいでしょう。
参考:山崎俊輔氏の記事
さらに、結婚や子供など、ライフスタイルで何を優先するかは、FIREまでの期間や目標金額に反映すべきでしょう。
パートナーとの話し合い、そもそもパートナーを持つのか含めた、長期的なプランが必須ですね。
FIRE前に綿密な計画を立てるのはもちろん、FIRE後にやりたい事を明確にした上で計画を立てておく必要があるでしょう。
復帰が難しくなるリスク
FIRE後、働かずに自由に時間を使うことは、遠からず飽きてしまうと言われています。
中には、もう一度サラリーマンをやりたいという方もいらっしゃるでしょう。
例えば、がまぐち君がFIRE後10年で復帰しようとしたとします。
仕事の第一線から10年離れた後、特に技能のない45歳を雇いたい所が、果たしてどれだけあるでしょうか?
FIRE後にも独自性ある活動をしていれば話しは変わってくると思いますが、ただ無為に時間を浪費していた場合は、厳しいと言わざるを得ないでしょう。
FIRE前に、リタイヤ後の就業計画も含め、綿密にシミュレーションする必要はあるでしょう。
リスクなくFIREってできるの?
これについては、COAST FIREを目指す、というのが現実的にも簡単な方法かと思っています。
私もこれをまずは目指しています。
詳しくは以下記事に書きました。
現実的かつ簡単である分、夢がないとも言えます。
これ以上の状態を目指すのであれば、やはりそれ相応の覚悟と綿密な計画は必要になってくるでしょう。
まとめ
この記事では、以下の点について書いてきました。
- FIREするということは、程度の差はあれ、「多数派」からは外れるという事を認識する必要がある。
- FIREの各リスクへの対応自体は難しくはないが、無策では後々リカバリーするのが厳しくなる。
FIREは人生の行く末を決める重大な決断ですので、計画は慎重に立てたいですね!
私はこういう事情もあるので、COAST FIREをとりあえずは目指すことにしています。
この記事が何かのお役に立てば幸いです。
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