数年前までは、投資は一部の富裕層のものでした。
それが、今はNISAやつみたてNISA、iDeCoが出てきたことで、投資は一部の人の売った買ったの道具から、一気に我々の身近なものになったと思っています。
特にインデックス投資の選択肢が増えたこと、その手数料が非常に低かった事が、その傾向を決めたと思っています。
私自身、NISAとつみたてNISAで一気に投資が身近になり、投資の世界へ両足を突っ込むきっかけになったと言えます。
参考リンク:つみたてNISA概要(金融庁サイト)
今回は、経済的自立を目指すうえで、インデックス投資ができる投資信託が有力な武器になる理由を書いていこうと思います。
そもそも投資信託とは何なのか?
株式は、会社のオーナーになる権利!
一人で事業をやるには、その規模感に限度がありますよね。
本業も、おそらく社長や副社長だけでは絶対に回らないと思いますし、彼らのポケットマネーでできることは限られます。
そこで、会社は株式なるものを発行し、いうなれば、スポンサーを募ります。
スポンサーは、手持ちのお金を払って、株を買います。
このスポンサーこそが、我々が『投資家』と呼ぶ人たちです。
株のやり取りで、会社にはお金が入り、投資家には株が入ります。
そして、この段階で、投資家は『株主』になります。
会社は、手に入れたお金を元手に、事業を拡大することができます。
そして、同時に、会社は株式の数だけ、株主に利益の一部を還元することを求められます。
これが、株の仕組みであり、株主が儲かる仕組みでもあります。
ただ、株式には値札が付いていると考えていただいてよくて、そして押しなべて高いです。
参考までに、3月10日のトヨタ自動車の株価は終値で8128円/株。
最低取引単位は100株からが一般的なので、82万円程度は手持ちがないと、トヨタの株主にはなれません。
正直、私も今すぐ82万円を出せと言われても、100%出せません。。
単元未満株という、1株から帰るサービスもあるにはありますが、全ての証券会社でできることではないです。
そこで、投資信託の出番になります。
ここから、私が無理やり「なんちゃって投資信託」を仮に組んでみながら、説明していきますね!
投資信託は、株のごちゃまぜ、量り売り商品
100株だと高くて、1株で買えるところも限られる。
そんな時に、投資信託の出番になります。
日本のトヨタを例に出したので、そのまま日本の自動車会社の株で話を進めますが、トヨタは8128円/株でしたが、その他の自動車会社の株と、その平均値はこんな感じです。
- トヨタ自動車:8218円/株(821,800円/単元)
- 日産自動車:605円/株(60500円/単元)
- ホンダ:3218円/株(321,800円/単元)
- マツダ:913円/株(91,300円/単元)
- スバル:2149円/株(214,900円/単元)
平均株価:3021円/1口(1口からOK)
自動車株の単元を見ると絶望的な気持ちになる方も多いと思いますが、3021円なら買えそうじゃないですか?
全部をごちゃごちゃにして、量り売りで1個から売ってくれる、というのが、イメージとしてはしっくりくるのではないでしょうか。
これが、投資信託が広く誰にでも手が出しやすい商品となりやすい理由です。
ただ、これは、あくまで単価を下げた、というだけの話であって、だからと言ってすべての投資信託が手放しで評価できるものではありません。
私は先ほど自動車株の平均値を出しましたが、この行為に対して、手数料が発生するからです。
投資信託の中には手数料をガッポリ持っていくものもある
投資信託の手数料のイメージ(実際はもっと複雑です)
先ほどの例の続きでお話をしますが、ただ単価を下げただけでは、投資信託の販売元には1円も入ってきません。
ごちゃまぜにするためには市場から大量の株を買わないといけないですし、(上記の例だと150万円くらい)全部持ち出しになっちゃいます。
ですので、儲けを出して事業を存続させるために、手数料を取ります。
平均株価:3021円/1口(1口からOK)
- 株式の調達に1,510,300円かかった
- 株式の買い付けに手数料が1%乗った⇒15,103円のコストがかかった
- 私としては、手数料分以上は取り戻したいので、一口当たりに、年間2%の手数料を乗っけると、利益が取れる!
手数料:3021円/1口に対して、年間で2%(60円くらい)を取って、利益を得られる
これで、めでたく私は、15,103円のコストがかかった状態から一転、15,103円の儲けが出ることになりました。
この手数料は、別に請求書が飛んでくるとかではなく、投資信託の中からしれっと抜かれるイメージです。
非常にざっくり書いていますし、実際の仕組みはもっと複雑ですが、大まかなイメージはつかんでいただけたのではないでしょうか。
この手数料が、投資信託を買う投資家たちにとっては重たいものになります。
投資信託を選ぶ際は手数料のところに注目してください
先ほどの例で出した、投資家にとっての2%の手数料というのは、果たして高いのか低いのか。
結論ですが、べらぼうに高いです。
こちらのページでも書きましたが、株式の平均成長率は多くても7%弱となります。
2%というのは、投資家がリスクを取って得たなけなしの利益の3割近い量になります。
何とか頑張って株で100万円儲けたとして、30万円をいつの間にかしれっと抜かれることをイメージしてもらえれば、その無茶苦茶さがわかると思います。
最近は、つみたてNISAの出現により、手数料が1%を超えるようなものはそもそも対象金融商品にはならない事もあり、そのような投資信託からは資金が流出しているというお話も聞きます。
それでも、未だに手数料をたっぷり取るような粗悪な投資商品が蔓延しているのも事実であり、またつみたてNISAの出現により、ただでさえ多かった投資信託の種類がさらに増え、投資未経験者のハードルはさらに上がったという見方もできます。
投資信託の商品数を見ると、なんとその数、2020年12月の段階で13498本!
2019年12月のときは12931本だったので、単純計算、年間500~600本新商品がリリースされています。。(参考:一般財団法人 投資信託協会)
Moriningstarなんかを見ると、ここまでの本数はなさそうに見えますが、それがなぜかはわかりません。
どちらにしろ、とてもではないですが、全商品いちいちチェックなんて不可能ですね。
そこで、インデックス投資、という風になります。
インデックス投資であれば、少なくとも『負けない』
今まで、投資信託はアクティブファンドという、いわば「プロが厳選した銘柄で勝ちにいく」商品が主流でした。
そこに、「日経平均」とか「S&P500」とか「NYダウ」みたいな指標に、ただ機械的についていくだけ、というインデックスファンドなるものが誕生し、時間こそかかりましたが、人気を博することになります。
1975年12月31日、バンガード・グループの創業者ジョン・ボーグルによって、初のインデックスファンドが設定された[3]。このファンドは次第に人気を呼び、2000年にはフィデリティ・インベストメンツが運用していたマゼラン・ファンド(おそらく世界で最も著名なアクティブファンドである)を純資産額で追い越した。
Wikipedia:インデックスファンドより
手数料が安く設定できる
この方式の強みは、何よりもまず、機械的に株を指標に合わせて買うだけなので、手数料が非常に安く設定できます。
先ほどの例では、私は株を5銘柄選び、それらをごちゃまぜにし、手数料体系を考えて、電卓を叩いて売る、という労働をしたので、手数料が高くなってしまいましたが、インデックスであれば、買付注文に対して、すでにある指標に対して機械的に買うだけなので、人件費とかが抑えられそうなのは、なんとなく想像がつきますよね?
負けないことが、一番の価値である
パフォーマンスについて、かなりいろいろな声を聞きます。
- これ最強だと思います、歴史が証明しています
- 平均点しか取れないから、夢がない
- 一時的にアクティブファンドに負けることもあるんだから、タイミングを見て売買できる人はあえて買わないでもいいのでは
どれも正解でどれも不正解だと思いますが、何よりもこの方式の強みは「負けない」ことだと思っています。
大勝ちはできないでしょうし、「1年間で100万円が○○億円」という夢も見れないでしょうが、大切な虎の子の資金を預ける先として、「負けない」ことは、むしろ最重要ポイントではないかとすら思います。
株の暴落が来たら当然ながらインデックス投資といえど道連れを食らいますが、そんなのはどの資産であっても大なり小なり影響は受けるはずですよね。
「平均点でじわじわと成長してくれる」「負けるときは皆で一蓮托生」「でも、全部が平均点なので、傷口も少なくて済む」というのが、何よりも価値だと思います。
少なくとも私は、個別株にしろ何にしろ、預けた資金が毎日目まぐるしく変動するという事に対して、耐性はないですし、今後もつかないと思っています。
まとめ
余裕資金を投じるならばインデックス投資信託がいい理由を、これまで書いてきました。
少し乱暴な言い方をするならば、「ほったらかし」ができるのが、インデックス投資信託の強みだと思いますし、そこでできた時間は、余暇に充てたっていいし、副業に充てることもできますよね。
少しずつ、皆さんと一緒に、経済的自立に向けて進んでいければいいなと、そう思います。
この記事が何かのお役に立てば幸いです。
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